少し前まで、ウイスキーは大人の男性の飲みものというイメージが強く、若い世代や女性には敬遠されがちでした。しかし最近、ハイボールのブームからウイスキーが若い世代からも人気が出てきています。そこで今回はぜひ飲んでいただきたいウイスキーをご紹介します。
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ウイスキーとはどんなお酒?
ハイボールはウイスキーと炭酸水にレモンを加えたもの、ということはよく知られていますが、ハイボールの中心となっているウイスキーはどんな飲み物なのでしょうか。
ウイスキーは蒸留酒です。大麦やライ麦、とうもろこしなどの穀物が原料となっています。原料の穀物を麦芽の酵素の力を利用して糖化させ、樽で発酵させたものを蒸留したものです。
日本では1923年に現在のサントリーの山崎蒸留所の建設が始まり、日本でのウイスキー作りが始まりました。日本のウイスキーの記念すべき第1号は「ウイスキー白札」で1929年にサントリーから発売されました。
ウイスキーの特徴は?
ウイスキーの製造方法は蒸留酒です。蒸留酒とは穀物や果物の酵母をアルコール発酵させて作られた醸造酒を蒸留させたものです。蒸留酒は醸造酒を熱してその蒸発した気体を冷やして液体に戻しています。一度熱することでアルコール度数が上がります。
蒸留酒のお酒で代表的なものは焼酎、泡盛、ウォッカ、テキーラ、ブランデーそしてウイスキー等です。
ウイスキーは大きく3種類に分かれています。大麦麦芽を使用した「モルトウイスキー」と穀物を使用した「グレーンウイスキー」、この2つをブレンドした「ブレンデッドウイスキー」です。ブレンデッドウイスキーはたくさんの種類のウイスキーの中から慎重に組み合わせを決め、絶妙な職人技でブレンドされます。
モルトウイスキーの中に「シングルモルト」と呼ばれるウイスキーがあります。これは1つの蒸留所で作られたものを瓶に詰めたものです。このシングルモルトは蒸留所のプライドをかけたウイスキーとも言えます。
ウイスキーに種類はありますが、共通していることは「樽による熟成」です。ウイスキーは樽で必ず熟成させます。熟成させることで琥珀色の綺麗なウイスキーが出来上がります。樽の素材も種類があり、良質なウイスキーを作るために一番大切なポイントです。オーク、ミズナラ、バーボン、シェリー、ボルドーワインなど熟成させるための樽の素材の違いで味が変わる特徴があります。また、熟成期間によっても味が変化していき、熟成期間が長ければ長いほど高価なウイスキーになることも特徴の一つです。
プレミアムウイスキーとは?
貯蔵期間によって値段の変わるウイスキーですが、熟成期間が長いほど貴重なウイスキーとなります。近年、アルコールの消費が減りつつありますが、その影でじわじわと価格帯の高いアルコールに人気が高まっています。ウイスキーもそのアルコールの一つです。ハイボールとNHKの連続テレビドラマ小説「マッサン」の爆発的なヒットによりウイスキーブームとなりました。ブームの熱は冷めましたが、ブームにのってウイスキーを楽しんだ人がその魅力にハマり愛飲者が増加しました。
そこで日本のアルコール市場に登場したのがプレミアムウイスキーです。ハイボールでおなじみの「サントリー角」750mlは1本およそ1,000円から1,500円ですが、プレミアムウイスキーは1万円以上はします。
ウイスキーはそんなに簡単に作れるものではなく、蒸留所を建設するだけでも大変なことです。ウイスキーブームで生産が追いついていない現状もウイスキーの価値が高騰している要因ですが、プレミアムウイスキーは樽での熟成期間が長く、その管理には手間がかかります。また、天使の分前と言われるように、熟成期間が長いと樽からウイスキーがどんどん蒸発してしまうので、量が少なくなっていきます。
各メーカーはウイスキーブームの中でも決して妥協をせず、熟成させているウイスキーをしっかりと守ってきました。そんな大切にされてきたウイスキーが「プレミアムウイスキー」です。
プレミアムウイスキー5選
それでは早速一度は飲んでいただきたいプレミアムウイスキーをご紹介させていただきます。
① マッカラン 18年
プレミアムシングルモルトの王道、マッカランの18年はウイスキーの中でもクセが少なく、初心者でも飲みやすいので人気があります。マッカランの蒸溜所はスコットランド最大のスペイ川の水を使用し、シェリーオークの樽で熟成させています。この18年は華やかな香りとその余韻を十分に楽しめます。
② ブナハーブン 25年
ウイスキー作りの盛んなスコットランドのアイラ島で作られるウイスキーは、強いピート香とスモーキーなフレーバーのウイスキーが多いのですが、ブナハーブンは控えめなスモーキーさと柔らかい口当たりが特徴です。原酒本来の味を損なわず、凝縮された味わいが人気です。
③ キルホーマン オリジナルカスクストレングス
キルホーマンはまだまだ歴史の浅い蒸溜所です。アイラ地区のウイスキーの特徴であるピートの香りが強く、爽快感を感じるほどです。年間の生産数が9200本しかなく、日本へは360本しか入荷していないため、とても貴重なウイスキーです。
④ バランタイン 30年
バランタインはブレンデッドウイスキーの最高峰とも言われる蒸溜所です。バランタインではブレンドの決定権はたった一人しかいません。マスターブレンダーと呼ばれ、3日間で1000種類も鑑定する大変な作業です。樽の中に30年寝かせても味は落ちず、熟成を極めた状態のウイスキーです。複雑な味わいですが、バニラのような甘い余韻が楽しめます。
⑤ ジョニーウォーカー ブルーラベル
ジョニーウォーカーのブルーラベルはブレンデッドウイスキーで、長期熟成させている希少なウイスキーをブレンドしています。ジョニーウォーカー社の究極のラベルと位置付けられており、すべてのボトルにシリアルナンバーが書かれ、証明書まで付いています。口に含むとフルーティーな味がしますが、後からスモーキーな香りが追ってきます。
ウイスキーの美味しい飲み方
それではウイスキーの美味しい飲み方を最後にご紹介させていただきます。
① ストレート
やはり美味しい飲み方といえばストレートです。透明で厚みのない、テイスティングで使用するストレートタイプのグラスに、ウイスキーを注いで楽しむ飲み方です。このようにすることで、ウイスキーを空気と触れさせて変化を楽しむことができます。冷やした状態ではなく、常温で飲むことも大きなポイントです。
② ロック
日本ではロックと言われていますが、正式には「オン・ザ・ロックス」と呼ばれる飲み方です。ウイスキーは常温保存が基本で、ストレートも常温で飲みますが、ロックは氷で冷やして楽しみます。氷を入れることで、氷が溶ける状態によって味の変化が楽しめるだけでなく、冷やすことで飲みやすくなります。
③ 水割り
この水割りは日本から広まった飲み方です。薄いタンブラーグラスは冷えやすく、口当たりもいいのでオススメです。グラスに氷を入れ、ウイスキーを30ml注ぎ、氷となじませます。その後、水を注いでマドラーでかき混ぜて出来上がりです。軟水を使うとウイスキーの持つ口当たりを邪魔することなく楽しめます。
いかがでしたでしょうか。高価なプレミアムウイスキーですが、ウイスキーは少しずつ味わうものですので、自分へのご褒美として買ってみるのも良いかもしれませんね。

- name. Jun-.-nuj
- 旅行が大好きな30代です。プロトラベラーを目指して日々奮闘中です。