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破天荒な作曲家リヒャルト・ワーグナーの魅力

「ワグネリアン」という言葉をご存知でしょうか?作曲家ワーグナーの熱狂的な信者の事を表現する言葉です。そんな造語が生まれる程の偉大な作曲家ワーグナー。しかしその素顔はとんでもなく破天荒で、仰天エピソードが満載なのです。

恩をあだで返した略奪愛

ワーグナーの妻として有名なコジマ。コジマは有名なピアニストにして大作曲家でもあったリストの娘です。ワーグナーと出会った時のコジマはリストの弟子であり、偉大な指揮者でもあったハンス・フォン・ビューローの妻でした。コジマに惹かれたワーグナーが人妻を略奪した形ですが、実はリストにしてもハンス・フォン・ビューローにしても、ワーグナーにしてみれば恩人ともいえる人物なのです。

世に出る前のワーグナーは稼ぎがないのに贅沢な暮らしをして、借金を踏み倒した挙句に夜逃げ。さらには革命運動に加担した罪で指名手配されるという破天荒ぶり。そんなワーグナーを全面的に援助したのがリストでした。

さらにハンス・フォン・ビューローは熱心なワーグナーの信望者。ワーグナー作品を自ら指揮するなど、ワーグナーの音楽を広める上で重要な役割を担った人物です。

そんな二人の偉大な恩人の顔に泥を塗る形で、ワーグナーはコジマを強引に自分のものにしてしまったのです。

パトロンである国王に自分専用の劇場を造らせる!?

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ワーグナーは自分の作品の世界観を表現するのに既存の形式、既存の劇場では満足しない人物でした。そしてバイエルン国王という最強のパトロンをゲットしたのをいいことに、自分の専用劇場「バイロイト祝祭劇場」を造らせることに成功するのです。ちなみに国王のワーグナーへの傾倒ぶりは想像を超えるもので、ワーグナーのわがままにとことん援助を続けた結果、国の財政が傾いたと言われているほどのものでした。

唯一無二のオリジナルな世界観

とにかく圧倒的なエネルギーで理想の芸術を世に出すことにこだわったワーグナー。多くのワグネリアンの心を魅了しながらも、普通の人にとってはなかなか理解が難しいその独自路線。大きく3つに絞ってご紹介してみます。

オペラと呼ばない?

実はワーグナー作品はオペラと呼ばず、「楽劇」と呼びます。従来のオペラはアリアをレチタティーヴォと呼ばれる語りでつないだ、「歌」重視の伝統的ロマンスタイルでした。

ワーグナーはこれに対して大きく異を唱え、独自の「楽劇」というスタイルを作り上げます。ワーグナー作品では音楽が途切れなく「無限旋律」で進行します。また「ライトモチーフ」という作曲技法で人物や場面ごとに特定のモチーフを当てはめて、和声を変化させたり、変奏するなどして展開させる高度な表現方法を確立します。これにより登場人物の感情や状況の変化を象徴的に示唆するという、より深く、高尚な芸術作品世界を表現することに成功したのです。

難解なテーマ

一般的にワーグナー作品は難解で、とっつきづらく、「ワグネリアン」以外には拒否反応さえ起こすようなものだったりするのですが、それはテーマや扱う題材の影響も大きいと思います。ほとんどの題材は神話です。ギリシア悲劇への復帰を理念とし、神話、伝説に題材を求めました。そして作品を通して描くテーマは「愛」「死」「救済」といった概念です。

これらの壮大な世界観を表現するために、ワーグナーは音楽のみならず台本書き、歌詞、大道具、歌劇場建築にも携わり、理想の総合芸術として発表します。すさまじいまでの自己顕示欲の塊と言える気がいたします。

拷問のような長さの「楽劇」

一般的にオペラ作品は長いものが多いのですが、ワーグナーの「楽劇」は特に桁外れと言えます。有名な「ニーベルングの指環」にいたっては、「ラインの黄金」、 「ワルキューレ」、 「ジークフリート」、「神々の黄昏」の4部作で構成され、全部を合計すると休憩を含まずして15時間前後という驚異的な長さです。

ワグネリアンにとってバイロイト祝祭劇場で「ニーベルングの指輪」を鑑賞することは、聖地巡礼に匹敵するほどの体験といえるのですが、実はバイロイト祝祭劇場は快適な空間とは言い難い設備なのです。座席が木製の跳ね上げ式で、クッションがないので背中やお尻はすぐに痛くなります。空調もないので、演奏途中で気分が悪くなる方も多いのですが、まともな通路もないような座席配置のため退席するには大変な困難を伴います。

一般人には拷問にも思えるような、かなり特殊な空間なのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?強烈な個性をもつワーグナー。紛れもない天才ですが、あまり友達にはなりたくないような、そんなアクの強さを感じないではいられないですよね。

ちなみに筆者は以前バーバラ・ボニーというソプラノ歌手が「ワーグナー歌手はギャラも高いのよ」というような発言をしている動画を見たことがあります。ワーグナー歌手とは、ワーグナーの壮大な曲を歌いこなすだけの強靭な声が必要になりますし、とにかく気力・体力の消耗が半端ないものだそうですから、深く納得させられました。

ワグネリアンという域には達していない筆者なのですが、いつかはバイロイト祝祭劇場を訪れてみたいという野望を抱いております。上に貼り付けた動画はワーグナーの華麗なオーケストレーションの魅力が詰まった名曲「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第一幕への前奏曲 です。上質のワイン片手に耳を傾けたくなるような、壮大かつ優雅な楽曲です。ぜひとも贅沢な気持ちでワーグナーの世界を楽しんでみてくださいね。

INTRODUCTION of THE WRITER

takuan1
name. takuan1
40代の主婦です。
好奇心を刺激するような記事をたくさん更新していきたいと思っています。

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