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全日本ツーリングカー選手権勝利を目指し、開発された伝説のエンジン「RB26DETT」

車のエンジンには、その性能が評価され多くのチューナー達から愛用される「名機」と呼ばれるものがあります。 その中でもR32スカイラインGT-Rから搭載されたRB26DETTエンジンは誕生から20年以上経った今でも日本国内に留まらず、世界中のチューナーによってチューニングベースとして用いられています。

RBエンジンとは

RBエンジンは日産が製造していたL型エンジンの後継機として1980年代後半から2000年代前半まで製造されていた直列6気筒エンジン。RBとは「Response & Balance」の略です。

SOHC 12バルブ 自然吸気エンジンのRB20Eから始まるこのエンジンシリーズはミドルクラスの車のエンジンとして中核をなし、日産の一時代を築きました。

90年代後半に経営不振に陥った日産は1999年にルノー傘下に入りました。カルロス・ゴーン氏による経営再建計画によって、プラットフォームが整理の対象となりRBエンジンの生産は終わりました。日産最後の直6エンジンでした。

RBシリーズ最高峰、孤高のエンジン

1989年、RBシリーズに一つのエンジンが追加されました。
スカイライン2000GT-R、いわゆる「ケンメリ」の生産終了から16年振りに復活したスカイラインGT-RであるR32スカイラインGT-Rに搭載されたRB26DETTエンジンです。

このエンジンはJTC(全日本ツーリングカー選手権)での勝利を目指し、スカイラインGT-R専用に開発されました。
開発コンセプトそのものがレースを前提としたものだったので一般的な市販車エンジンの水準を大きく上回る強度を誇ります。エンジンブロックは鋳鉄製、ベアリングキャップは一体式のラダーフレームを採用し剛性を高めている。さらに多連スロットルを搭載するなど、名称こそ「RB」となっていますが実体は全く別物のエンジンと捉えて良いでしょう。

しかし、RB26用のオイルポンプやウォーターポンプがRB20、RB25エンジンにボルトオン出来るので多少の互換性は保たれています。

RB26DETTのエンジンブロックあれこれ

エンジンの心臓部といわれるのがエンジンブロック(シリンダーブロックとも言います)です。
一言にRB26と言っても、エンジンブロックにいくつか種類があります。

「1000馬力のRB26DETT」というフレーズを聞いたことがある方もいるかもしれませんが、単にRB26DETTであれば1000馬力が可能というわけではありません。そもそもRB26DETTは開発当時、JTCでのライバル車種の今後の進化の度合いを吟味し、最高出力を600馬力と設定して開発が進められました。
そのことを考えると、RB26であっても1000馬力という出力は未知の領域であると言えます。
1000馬力に耐えられるエンジンというのは想像を絶するハードなチューニングが施されています。
そのチューニング対象には当然エンジンブロックも含まれます。

RB26のエンジンブロックには、1000馬力に耐えられるブロックとそうでないブロックが存在するのです。

05Uブロック

RB26のノーマルブロックです。「05U」の刻印があります。
型番は「11000-05U00」。

生産時期によって強度に差があります。
05Uの場合、BNR32前期タイプに搭載されていたブロックが最も頑丈で、その耐久性はN1ブロックやGTブロックを凌ぐとも言われています(平成元年のモデルのみという噂もあります)。逆に最も華奢といわれるのがBNR34に搭載されていたブロックです。

このように生産時期による明らかな違いもありますが、同時期に生産されたものでもほんの僅かな違いがあります。いわゆる「アタリとハズレ」のようなものです。作り物に完璧なものは存在しないので残念ながら当然のことでしょう。
JTC参戦車両のR32には生産ラインで選別した「アタリのブロック」を使用していたそうです。

このブロックでは600馬力が限界と言われていますが、先ほど述べたように05Uブロックはピンからキリまであるので一概には言えません。

N1ブロック

RB26の強化版ブロックです。「24U」の刻印があります。
型番は「11000-24U00」です。

05Uブロックにてクラックが入りやすい箇所の肉厚を厚くしてあり強度が増しています。
競技でのハードなチューニングや使用に耐えることに重点を置いているので、600馬力超のチューニングを施すのであれば、このN1ブロックを選ぶべきでしょう。

GTブロック

NISMOからかつて販売されていたブロックです。「RRR」の刻印があります。
型番は「11000-RRR45」です。

N1ブロックよりも更に肉厚にし、強度を増しています。
現在は廃盤になっているものの、需要が高くプレミアが付いています。

スーパー耐久参戦車両や、同じくNISMOから17台だけ販売されたR34 スカイラインGT-Rのコンプリートカー「NISMO R34GT-R Z-tune」にもこのブロックが使われています。

インテリアとして

物の扱い方に関して、個々の考え方に制約はありません。
スーパーカーの実車を部屋に飾っている方もいます。このエンジンを部屋に飾っておくのも良いかもしれません。
しかしそんなスペースが無い、飾るだけじゃあまりに勿体無さ過ぎるという方にオススメのインテリアがあります。

鳥取県米子市にある、日下(くさか)エンジニアリングが製作しているRB26DETTの6分の1スケール模型です。
実機から寸法を測定し、3Dモデルを作成。3Dプリンターにて原型造形を行い、各パーツはレジンキャストやアクリル材などから構成され、一つ一つ手作りにて製作されています。

そのクオリティは息を呑むほど精巧で、写真の撮り方次第では本物と見間違うほどです。
スカイラインGT-Rファンの部屋を彩ること間違いなしの一品です。

伝説の名機

RB26DETTはその成り立ち故に、市販品とは思えない存在感を放っています。
その存在感は多くのチューナー達に語り継がれ、伝説となりました。
その伝説は、原動機の主流がエンジンからモーターに移り変わっても色あせることは無いでしょう。

エンジンチューニングの魅力、そしてレースで勝つためには何が必要なのか、それをこのエンジンは語りかけているような気がします。

INTRODUCTION of THE WRITER

守屋空山
name. 守屋空山

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