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使うほどに美しく艶やかに 松江の伝統工芸「八雲塗」

国宝松江城、そして自然の恵み豊かな宍道湖で有名な古都松江市、「八雲塗」はそんな松江に明治初期から伝わる伝統工芸の技法です。 漆塗りを独自の方法でさらに美しく艶やかに輝かせるその技術をご紹介します。

使うほどに美しく輝く漆塗「八雲塗」の技

八雲塗は、城下町松江で明治初期に生まれました。当時の松江藩のお抱え絵師、坂田平一が加飾の技法を凝らすことにより、漆塗を八雲塗へと進化させました。

八雲塗の名前の由来は、出雲に古くから伝わる歌
「八雲立つ出雲八重垣妻ごめに八重垣作るその八重垣を」から取られています。
この歌は須佐乃男命(スサノオノミコト)が妻をヤマタノオロチから隠す際に、妻を厳重に守るために八重の垣を巡したとされる古い言い伝えからできたもので、古事記に著されたのが初出になります。

手間をかけた分だけ美しくなる「八雲塗」

八雲塗は漆塗の一種です。多くの漆器は、木地に漆をぬって、その上に蒔絵・絵付けを施して完成させます。当然それだけでも漆は美しく輝くのですが、八雲塗はさらに一手間を加えます。

絵付けをした後に、国産の生漆から水分だけを取り除き、透き通るように透明になった漆を絵付けの上から塗り重ねるのです。漆を塗っては研ぎ出す、また塗っては研ぎ出すという作業を何回も繰り返し、美しく輝く漆の器を作りだすのです。

手鏡は特に女性に人気が高く様々なデザインが作られています。

使い込むほどに、さらに艶やかに輝く八雲塗の魅力

写真の大きな八雲塗のお盆は、明治に作られたもので唐子文様が美しく描かれてます。行く年もの年月を重ねるほど八雲塗は美しくなっていきます。

八雲塗の一番の魅力が、この時を重ね使い込むほどに美しさを増していくところです。
絵付けの上に幾重にも塗り重ねられた漆が、光の作用によってさらに透明度を増し、描かれた模様を引き立てるような美しさを持っていくのです。さらに、布で磨くことにより、漆の表面がなめらかになり、美しさが際立っていきます。

飾って楽しむのではなく、実用に使ってさらに美しさを増していく、まさに庶民のための漆塗が八雲塗と言えます。

器や鏡だけではない八雲塗

近年では、八雲塗の伝統技法をいかして、様々なものに八雲塗が施されています。

草履に施された八雲塗は、足袋などと擦れて磨かれるうちに、さらに艶やかな輝きをましていきます。日々の足元が美しい模様に飾られる楽しみが生まれる作品です。

八雲塗で万年筆の軸に模様をつけることもできます(写真の下から2番目が八雲塗の万年筆)。
この万年筆は平成25年にプラチナ万年筆が限定発売した「出雲退社平成の大遷宮記念万年筆」。美しい模様は、出雲大社本殿の天井画(八雲の図)をモチーフにしたものです。

八雲塗の絢爛な模様と漆の上塗りの輝きが相まって、高級感ある作品に仕上がっています。

プラチナ万年筆株式会社/本体価格8万円
http://www.platinum-pen.co.jp/

 

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「琥珀」という名の湯のみです。この湯のみは八雲塗の下地に金箔を塗っていて、上塗りの漆が時を重ね透明度を増すことにより、下地の金箔の輝きが浮き立ってきます。

一番右が新品で一番左が5年経過したものですが、時を重ねるごとに煌びやかになっていくことがわかります。八雲塗の特徴がよく現れた逸品です。

八雲塗 山本
https://www.yakumonuri.jp/
八雲白檀「琥珀」
※価格は要問い合わせ

いっしょに時を重ねていきたい逸品「八雲塗」

八雲塗は時とともに美しくなります。八雲塗のように年を取ってさらに美しくなるような日々を歩みたいものです。ぜひ、あなたの日々のパートナーに八雲塗を手に入れてみてはいかがでしょうか。

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