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何を飲んでも同じではない!?個性派いろいろ・ベルギービールの世界まとめ

「とりあえずビール」ビールといえばキリッと冷えた黄金色の炭酸を思い浮かべる方が多いかと思います。世界にいろいろなビールがある中でも、ベルギービールはそれだけでビールの小宇宙を作れるかと思うほど、じつにバラエティに富んでいるのです。その数は数百種類にものぼるといわれます。「えっ、これがほんとにビール?」「こんなのもあるのか」と、驚かれるかもしれません。 そんなベルギービールの世界を覗いてみましょう。

ベルギービールに注目するワケとは

ビールなんてどれも大差ないんじゃない?そう思っている方、ベルギービールの個性派揃いの面々をご覧になったら驚かれることでしょう。

関東地方の一都六県を合わせたよりも少し小さく、人口は東京都よりも少し少ない国、ベルギー。ですが、ビールの歴史は深く、120以上の醸造所が存在しています。

原料には大麦、小麦、砂糖、スパイス、ハーブ、果実などが用いられ、ワイン同様熟成させるスタイルがあることもベルギービールの特徴。色、味、香りからアルコール度数に至るまでじつに多様で、同じ味わいのビールはないともいわれます。

暑い時にゴクゴクと飲み干すラガーも美味しいですが、ベルギービールはどちらかと言えばワインやウイスキーのように味わいたいもの。あまり冷たくしすぎると味が落ちることもあるため、なるべく常温に近い温度で味わい、いちばんよく冷やしたとしても10℃を切る程度に留めるのが望ましいとされています。ベルギービールには黄金色のものから焦げ茶色のものまでいろいろな種類がありますが、目安として、色が濃くなるにつれより高い温度で楽しむのがよいとされています。

また、グラスですが、これまた何でもよいというわけではないのです。
深い味わいや香りを引き出すためには、ゴブレットまたはチューリップの形のような専用のグラスで飲むのが一番とされています。相性のよいグラスで楽しむベルギービールの芳香は、花の香り、はちみつの香り、薬草に似た香り、果皮の香り、小麦の香り、ホップの香りなどが見事に開花し、じつに素晴らしいものです。敢えてひとつで済ませるとするなら、思い切り口の広い漏斗型のグラスをおすすめ致します。

こうした画一的でない個性がベルギービールの魅力であり、虜になってしまう人が後を絶たないのです。

開けてびっくり玉手箱:ベルギービールの分類6つ

ベルギービールとひとくちに言いましても、歴史背景や製法によって大きく5つのカテゴリに分類されます。

それぞれのカテゴリと代表的なビールをご紹介します。

1.トラピストビール

トラピストビールとは、文字通りトラピスト会の修道院で造られるビールで、ビールの世界の中では少々特殊な位置づけにあります。
中世の修道院ではビール製造の技術力と製品の品質に定評があり、原料や手間を惜しまず造られるような贅沢さとマニアックなほどのこだわりが感じられ、味わいは重厚でどっしりとしています。

こうして修道院で造られるビールは、なんと断食中の修道士が栄養補給材として口にすることを許されていました。いわゆる「液体のパン」と呼ばれるものです。

トラピストビールの特徴には、アルコール度数が高い・常温発酵・瓶内熟成ということがあげられます。

シメイ

ベルギービールの中でも日本で一番有名なのはシメイではないでしょうか。醸造は修道院の敷地で行われており、瓶詰めは外部の工場で行われています。

ブルー(濃褐色、アルコール度数8%)、レッド(濃褐色、7%)、トリプル(琥珀色、8%)の三種類があり、それぞれ個性が異なります。

オルヴァル

オルヴァル修道院はベルギー最南部のフランスとの国境近くにあります。このビールは手間暇かけて三次発酵までされて造られます。

液体はやわらかい泡と明るい琥珀色で、薬草やレモンに似た香り(どちらも原料には含まれません)と力強いホップの苦味を醸し出すのが特徴です。その味を世界で無二と評するファンも多いです。

ロシュフォール

南部のフランス語圏にあるロシュフォールの修道院内の敷地で造られるビールです。ラベルに数字がついていますが、これはビールの強さを表す昔の単位で、上は10まであります。

フルーティーな味と豊かな味わいが特徴で、こちらもファンが多い一品です。

2.ランビック

このビールは人の手で酵母を加えず、自然発酵に任せるという特徴的なものです。純正なランビックの産地は、ブリュッセル南西のパヨッテンラント地域で造られます(この地域の微生物叢がビールの風味作りに適しているため)。

ベルヴュー・クリーク

日本でも成城石井や大手スーパーなどで小売されているのを最近ではよく見かけます。クリークとはサクランボのこと。こちらは、出来上がったランビックビールに半年ほど果実を漬け込み、糖分を発酵させるとともに色や香りを抽出したフルーツビールです。

ランビックらしい酸味や渋味と控え目な甘みが調和しています。

フランボワーズ・ブーン

シャンパンを思わせる750mlの立派なボトルに入ったフランボワーズ(木いちご)漬けのランビックです。液体は紅く美しく、味わいはじつにフルーティーで爽快です。

3.小麦ビール

主原料に小麦を使うのでこの名で呼ばれています。

こちらは黄金色をしていますが、日本で見慣れた透明感のある液体とは異なり、白く靄がかった乳白色をしているのが特徴です。どちらかと言えば苦味は少なく、爽やかな香りとほのかな酸味が主張してきます。

ヒューガルデン・ブランシュ

瓶内熟成させた後、コリアンダーの実とオレンジ果皮を乾燥させたものを加えます。こんもりと盛り上がる白い泡と爽やかな香りが特徴的。軽やかで明るい雰囲気は、夜にしっとりと飲むよりも休日のランチタイムなどに適しているでしょう。

4.セゾン

セゾン(季節)という呼び名は、気温が高すぎて造れない夏のためにビールを冬の間に造り置きしておくという昔のベルギーの農村の風習からきています。現在では季節に関わりなく一年中造られています。小規模の職人的な醸造所で造られていて、古い農村的な趣があります。

セゾン・デュポン

無菌濾過も低温殺菌もない時代、長持ちさせるために抗菌力のあるホップを大量に加えていたことに由来し、力強い苦味が長く続くのが特徴。

グリゼット・ブロンシュ

ベルギービールとしてはアルコール度数が低く飲みやすいです。かすかに柑橘に似た軽い風味にホップの苦味がかぶさり、爽やかな印象です。

5.その他のエール

ベルギーには、これまでにご紹介したもの以外にもいろいろなビールがあります。

デュベル

明るい金色で、雪のような泡がふんわりと盛り上がります。見かけはピルスナーのようですが、アルコール度数は8.5%。花のような香り、まろやかな口当たり、果実のような新鮮な味わいの後に苦味が追いかけてきます。

デリリウム・トレーメンス

アルコール度数9%のこのビールのネーミングの意味は「アルコール中毒による震えや幻覚」なんとも複雑ですが、甘味・フルーツ味・スパイス味が混じったような明るい風味です。

ヒューガルデン・グランクリュ

先にご紹介したヒューガルデンのビールですが、こちらは小麦を使っていません。スパイスを使っていて、コリアンダーの風味が爽やかです。

禁断の果実

濃い色で、焦がした麦芽のコーヒーのような味にコリアンダーとオレンジ果皮の風味が重なります。そこに重厚な苦味が被さってきます。ゴクゴク系ではなく味わいたいビールです。

レフ・ラデュース

アルコール度数8.2%、ねっとりと甘いコーヒーのような味のビールです。

ビュッシュ・アンブレ

一番アルコール度数の高いベルギービールです(12%)。日本では「ブッシュアンバー」という名前で販売されています。色は濃い琥珀色で、爽やかな果実のような芳香があり、とろっとまろやかな口当たりです。

世界中にファン多し、ベルギービールの進化は続く

ざっとご紹介しましたが、ご紹介していないものも含めて全てのベルギービールを味わってみるには膨大な時間と手間がかかるでしょう。何故ならば、伝統的な製品だけでも途方もなく種類があるのに加え、現在も年とともに新種が次々に出ているからです。

ご興味をもたれた方は、是非、このマニアックな世界を覗いてみてくださいね。

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高城みれい
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