不動産を証券化したREIT。アメリカが発祥ですが、それが日本にも入ってきてJ-REITと呼ばれ、取引されています。このREITとは一体なんなのでしょうか。また、REITのメリットやリスクについても紹介していきます。写真引用元:https://www.pakutaso.com/20161137309post-9434.html
Contents / 目次
REIT
REITとは
REITとは、Real Estate Investment Trustの頭文字から来ている不動産投資信託です。一般の投資家から集めた資金を不動産に投資する金融商品の一種です。日本においては日本版REITをJ-REITと読んだり、そのままREITと読んだりしています。REITはアメリカで不動産投資の新しいカタチとして生まれ、2001年から日本国内でも取引ができるようになりました。REITは投資信託の一種ですが、証券取引所に上場しているという特徴あります。
REITの仕組み
REITの仕組みはいたって簡単です。まず、投資家が、REITを販売するビークルと呼ばれる組織に投資をします。ビークルは信託が運営している場合(契約型)や、法人が運営している場合(会社型)があります。このビークル、不動産投資法人が、投資家から集めた資金を使って、不動産などを保有運営します。ビークルが運営している不動産などから収益が生まれたときに、資金源である投資家へ分配金が支払われます。一般的な投資信託とほぼ同じ仕組みとなっています。
REITの特徴
REITは、不動産を投資対象としているため、株式や債券に比べ流動性を確保しづらいです。また、REITは一度契約したら途中解約することが許されていません。そこで、自分が持っているREITの投資証券を処分したいときに、証券市場で売買することが可能となっています。REITは不動産投資信託でありながら、証券取引所に上場しているという特徴があります。またREITは会社組織であり、役員会や、株式会社の株主総会にあたる「投資主総会」があります。そのため投資家は、役員の選任などについて、意思を示すことができる仕組みが作られています。
REITのリスク
価格変動リスク
REITは預金や債券のように元本が保証されていません。また、証券市場に上場しているため、需要と供給の関係によって投資証券価格が変動します。また、証券市場に上場していることからREITは、株式市場全体や不動産市況の影響を受けてしまい、REIT個別の業績に問題がないとしても、株式と同様に価格が下落し、損失を出してしまうこともあります。
収益変動リスク
REITに投資した投資家は決算期ごとに分配金を受け取る権利があります。しかし、株の配当と同様に必ず分配金が支払われるわけではありません。例えば、地震など自然災害によって保有不動産の建物が壊れてしまったり、ビルであれば、テナントが退去したり、賃料を収めていなかったり、賃料が減額してしまったり、物件の売却時に損がでてしまったりど、資産運用会社の能力や経済情勢によって収益が増減します。それにより、分配金が減少する可能性があります。株式投資と同じように必ず分配金が支払われるわけではない点に注意が必要です。
金利変動リスク
REITは投資家から資金を集める他に、銀行からの借入金によっても不動産を取得します。そのため、金利が上がると支払い金利が増えるため、分配金が減少する可能性もあります。
投資法人の倒産そして上場廃止リスク
REITは一般企業のように倒産するリスクがあります。また、REITは証券市場に上場しているという特徴がありますが、同時に上場廃止のリスクもあります。仮にREITが倒産したとしても、保有している不動産の価値がゼロになる可能性はありません。REITが保有していた不動産を売却することで生まれた売却益は投資家に分配されます。
市場で売れる保証はない
REITは非常に流動性の低い不動産を証券化したことによって大幅に流動性が高くなっています。しかし、必ずしも売却したいタイミングで売却できるわけではありません。
REITのメリット
少額で購入できる

一般的に不動産に投資をしようとすると、莫大な初期投資がかかってしまいます。しかし、REITは投資信託の一種であるため、少額から投資をはじめることができます。
いくつかの不動産への分散投資が可能
REITは投資信託の一種であり、多くの投資家から集めた資金をプール化して運用するため、いくつかの種類の不動産への分散投資をすることが可能です。これにより不動産投資におけるリスク分散をすることができます。
収益のほとんどが投資家へ分配される
REITが実際に不動産を運用し生まれた収益のほとんどが投資家へ分配されます。REITにおいては、投資法人が運用によって生み出した利益の9割を配当しないと法人税が課税されるなどの制約があります。そのため、運用益の9割以上が投資家に分配されることになります。
REITの種類
特化型
特化型とは、なにかに特化しているREITです。例えばオフィスビル特化型や、住宅特化型、リゾート・ホテル特化型、物流特化型があります。それぞれにそれぞれの強いと弱点が存在していおり、双方を十分に理解した上で選ぶことが重要です。
複合型
複合型とは、2つの不動産物件を組み合わせて投資するREITです。特化型に比べ安定感があることが特徴です。
総合型
総合型は、3つ以上の不動産物件を組み合わせて投資するREITで、複合型同様に、安定性が高いことが特徴的です。
複合型と総合型は複数の不動産物件に分散投資するため、リスクを分散させることが可能ですが、一方で、特化型に比べ落ちる傾向があります。自分の目的と好みに合わせて選ぶことをおすすめします。
REITの選び方
REITを選ぶ上で確認しておくとよいことを紹介していきます。
稼働率
稼働率とはREITによって運用されている不動産に対して、どれくらいの人や会社が入居しているかについての割合です。稼働率が高ければ高いほど安定して運用ができており、高い収益性上げているということです。一方で稼働率が低いと、収益が薄くなってしまっているということがわかり、多くの分配金を得られない可能性があるということです。
物件数
物件数は、REITが保有している物件の数です。REITが保有している物件が多ければ多いほど、安定性が高くなります。物件数が多ければ多いほど分散投資させることが可能です。
分配金利回り
分配金利回りとは、株式にあたる配当利回りに相当するものです。REITにおける分配金を、株式の株価に当たる投資口価格というものから割り出します。高ければ高いほど基本的には良いですが、リスクを考えつつ選ぶ必要があります。
築年数
REITは不動産物件を扱っているため、築年数というものが重要になってきます。築年数が大きければ大きいほど、将来的にかかってくる支出が増えることが考えられます。REITが保有している物件の築年数も確認することも大切です。
投資法人の信用格付け
投資法人の信用格付けを目安にするのもおすすめです。ランクが高ければ高いほど信用性が高く、低い場合は危険である可能性があります。
NOI利回り
NOI利回りとは不動産用語であり、準営業利益を意味しています。NOIは、収入(賃料)から、物件を管理する上で発生した経費(管理費や固定資産税など)のみを控除して計算することが可能です。NOI利回りは、NOI(準営業利益)を物件価格で割った指標のことです。NOI利回りが高ければ高いほど、収益性が高く、効率的に運用ができていると判斷することが可能です。
REITで資産運用
REITについて、特徴や種類、投資方法などを紹介してきました。RIETは手軽にできる不動産投資ということで、近年人気を集めています。しっかりとしたREITを選べばしっかりとした利益をあげることができます。しかし、不動産運用がしっかりとできていないREITを選んでしまうと、ほとんど分配金がないなんてこともあるかもしれまん。しっかりとREITを選んで、安定して資産を増やしましょう。
- name. tenikoh
- 高級車の記事をメインに、資産運用についても紹介していきます。