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ヴェトモン(Vetements)ニューカマーのフランスブランドがファッション界を引っ掻き回す!

ファッショニスタやヤングセレブレティーを中心に高い注目を集めているフランスブランドのヴェトモン。デビューしてまだ数年のニューカーマーブランドが、今ファッション業界を引っ掻き回しています。ファッショニスタやセレブレティーのSNSでも頻繁に登場するファッションセレブ御用達ブランドのヴェトモン。得意のストリートスタイルにモードなエッセンスをプラスした、ヴェトモン独特の世界観はデザイナーやスタイリストといったファッションの玄人からも高い評価を得ています。今、最も気になる新生ブランドを徹底解析いたします。

ヴェトモン(Vetements)とは

2014年に創設したフランスブランド

今、ファッショニスタの着用率が最も高いといわれるフランスブランドのヴェトモン。ヴェトモンは2014年に設立された新進ブランドです。

デザイナーはデムナ・ヴァザリア。リュクスなハードアメカジが得意なブランドのためメンズブランドのイメージがありますが、レディースも展開しています。

そしてレディースラインを先に発表、後にメンズラインをリリースしています。

ストリートスタイルを軸にしたビッグシルエットのウエアで熱狂的なファンを獲得したヴェトモン。ヴェトモンのウエアは、一部のマニアックなファッショニスタの間で著しく評価の高いものでした。つまり、一般ウケではなく、アンダーグランドで絶大な人気を誇るブランドのイメージでした。

しかし、最近では富裕層からも絶大な支持を得るヴェトモン。ファッショニスタやヤングセレブレティーのSNSの影響も大きく、ここ数年で瞬く間に人気ブランドへと上り詰めたヴェトモン。

フランス発のハイエンドなストリートブランドを得意とする、ヴェトモンに迫ります。

オーバーサイズのボマージャケットのインナーにはオーバーサイズのプルオーバーパーカー。そしてボトムスはスウェットパンツ。足元はバスケットボールシューズを思わせるハイカットスニーカー。80年代後半から90年代のストリートスタイルを彷彿させる着こなしのこのスタイリング、これこそが、ヴェトモンのスタイルの真骨頂とも言えます。

オール古着の様にも見えるストリートカジュアルコーデ。王道のアメカジスタイルにスポーツ色を強く打ち出したスタイルは、90年代のグランジなエッセンスを感じることもできます。

90年代にファッションの洗礼を受けた世代にとっては、懐かしく感じるスタイリングであり、若い世代にはトレンドの90年代ストリートコーデとして新鮮に映ります。

この洗練させたストリートスタイルを根幹に持つ、ヴェトモンが数年でトップブランドへと上り詰めた結果についてはさほど、不思議ではありません。

ヴェトモンは、デイリーウエアにモードなエッセンスを加えることに長けているブランドです。モードとストリートの要素を併せ持つブランドは今の時代それほど珍しくはありません。

しかし、ヴェトモンは他のブランドを凌駕するほど、圧倒的な人気を誇っています。その人気の理由について迫ります。

ヴェトモン(Vetements)の人気の理由は?

キャッチーなデイリーウエア

ヴェトモンの人気の理由はデイリーウエアが中心である点が上げられます。コレクションではアヴァンギャルドなスタイリングが目を引くヴェトモンですが、item自体はストリート色の強いデイリーウエアが中心です。

ロゴitemブームを牽引しているヴェトモン。レインコートやTシャツ、そしてスウェットにブランドロゴの入ったキャッチーなitemを多数リリースしていることでも知られています。

ヴェトモンのロゴの入ったitemの人気は著しく高く、入荷後すぐに完売する事でも有名です。ロゴitemの販売により、ヴェトモンは飛躍的に知名度を上げることに成功しました。

ヴェトモンのロゴの入ったスウェットやTシャツを着たヤングセレブレティがSNSに投稿します。それを見たファッショニスタがヴェトモンについてリサーチします。

これが現代のブランドのヒットの法則とも言われています。どのメディアよりも影響力があるファッションセレブのSNS。

SNSに頻繁に登場してくるブランドやウエアは確実にヒットするといわれています。

コレクションを見る限りでは、スタイリングが難しそうに見えるヴェトモンのウエア。その為、本当にファッションに精通していない限り、ヴェトモンのウエアを着こなすのは難しいと思われていました。

実際にコレクション以外では、どう着こなすべきか、頭を悩ませるファッショニスタも少なくありません。確実にハイセンスで前衛的なブランドなのですが、着こなす自信がない。ファッション関係者から評価の高いヴェトモンが、メジャーラウンドではなく、アンダーグランドで人気だった理由です。

しかし、SNSに登場するヴェトモンのロゴスウェットやロゴTシャツはキャッチーでデイリー。アンダーグランドなイメージよりは、デイリーなカジュアルウエアとしてのヴェトモンが映し出されます。そのため、ハイエンドなカジュアルを提供する新進ブランドとして、ヴェトモンはヤングセレブレティーの目に映ります。

これが、ヴェトモンがヤングセレブレティーを中心に大ブレークした理由であり、ロゴitemが即日完売する理由です。

ヴェトモンはコレクションを見れば、着こなしが難しそうに見えるウエアです。カジュアルなイメージよりも前衛的なモードブランドの雰囲気の方が遥かに強くショーでは打ち出されています。しかし、ウエアを手に手にしてみると、実はデイリーに使えるitemが豊富であることが分かります。

ファッションセレブの大半は、デイリーに使えるヴェトモンのウエアを着用しSNSに投稿します。ヤングセレブレティーはヴェトモンというブランドよりも、ヴェトモンとロゴの入ったスウェットに興味を持ちリサーチを開始します。

コレクションブランドとしてのヴェトモンではなく、ロゴスウェットをリリースしている新生ブランドとしてヴェトモンを受け入れます。

ロゴitemを着用した後に、ヴェトモンのブランドとしての素晴らしさに気づくといった、入り方のように感じます。

上質なカジュアルウエアからヴェトモンを知るヤングセレブレティは、先入観なくヴェトモンのウエアをデイリーに着こなします。

勿論この着こなしもSNSにアップ。世界中のファッショニスタにヴェトモンが浸透していきます。現在のヴェトモンのカリスマ的人気はこのようにして構築されたと推測できます。

ヴェトモン(Vetements)のデザイナーは?

デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)

ヴェトモンを立ち上げた人物はデムナ・ヴァザリアです。グルジア共和国出身の1981年生まれのデザイナーです。グルジア共和国とは旧ソビエト連邦であり、現在はジョージアです。

2001年にドイツへ家族で移り住み、2006年に名門、アントワープ立芸術アカデミーを卒業します。ファッションデザイン学科修士号を取得、なんと首席での卒業。

内戦により祖国を離れた経験を持つ、デムナ・ヴァザリアはロシア語、ジョージ語を含め6カ国の言葉を巧みに操る秀才です。

デムナ・ヴァザリアの実弟であり、ヴェトモンのCEOであるグラム・ヴァザリアの話によると、デムナ・ヴァザリアは生まれつき明晰な頭脳の持ち主だったと証言してます。

インタビューでは小学校の成績は常にトップ。そして様々な国を渡り歩いたにも関わらず、語学の壁を簡単に乗り越え、常に成績は上位だったといいます。

アントワープ立芸術アカデミーでも常に成績はトップクラスだったといいます。

デムナ・ヴァザリアのキャリアは?

デムナ・ヴァザリアの秀才振りを裏付ける根拠が彼のキャリアにあります。アントワープ立芸術アカデミーを卒業すると、デムナ・ヴァザリアはマルタンマルジェラに迎え入れられます。

マルジェラのレディースラインのデザイナーとして経験をつんだデムナ・ヴァザリア。これが彼のキャリアのスタートです。

デムナ・ヴァザリアが手掛けるブランドである、ヴェトモンのアヴァンギャルドでありユニセックスな要素のあるクラシカルなデザインの根幹は、マルジェラでの経験が大きいように感じます。

デムナ・ヴァザリア自身も、「マルジェラでの経験は自分にとって、ファッションの修士課程に近いもの」とコメントしています。

極端なビッグシルエットのアウターやトップス、そして袴を思わせるワイドパンツ、ドロップショルダーのアウターはマルジェラ時代に学んだと度々インタビューで答えています。

ヴェトモンでも人気の古着ライクのスウェットやパーカー、再構築されたようなデニムウエアからもマルジェライズムを感じ取る事ができます。

マルジェラからルイヴィトンへ更なるキャリアアップ

マルタンマルジェラで実践的なファッションと前衛的な服作りを経験した、デムナ・ヴァザリアは2013年ルイ・ヴィトンのデザインチームに参加します。

ルイ・ヴィトンではレディースのシニアデザイナーを務めました。フランスのビッグメゾンであるルイ・ヴィトン。老舗ブランドでの経験はデムナ・ヴァザリアにとってかなり大きなものになったことは間違いありません。

当時マークジェイコブス率いるルイ・ヴィントンを経験した今では数少ないデザイナーの一人であるデムナ・ヴァザリア。

しかし、若きデザイナーのデムナ・ヴァザリアが、注目を集めるのはバレンシアガのアーティスティックディレクターに抜擢された2015年以降かと思います。

マルタンマルジェラやルイ・ヴィトンではそれほど目立つ存在ではなかったデムナ・ヴァザリア。ルイヴィトン退社後、自身のブランド、ヴェトモンをローンチするのが2014年。

勿論、ビッグメゾンを経験した若きデザイナーとして、ファッショニスタやファッションエディターから注目はされましたが、ヴェトモンはデビュー後すぐに爆発的人気を博したブランドではありません。

寧ろ、バレンシアガのデザイナーが手掛けているブランドとしてヴェトモンに注目が集まりました。

バレンシアガのアーティスティックディレクターを並行して自身のブランドも継続

ハイセンスなファッショニスタを中心に熱狂的なファンを抱えていたヴェトモン。パリのアンダーグランドな若きファッショニスタの着用するマニアックなブランドは、ビッグブランドのアーティスティックディレクターが手掛けるブランドとしてメジャーラウンドに押し上げられます。

2016年にメンズラインをヴェトモンが発表したことにより人気は加速、今パリのファッションキッズが、最も着たいブランドとしてヴェトモンの名前が挙がるほど一般的に浸透しました。

ブランドをローンチして約4年、メンズラインを立ち上げて約1年目で世界中のファッショニスタを陶酔させるトレンドセッターとしての地位まで上り詰めました。

現在もヴェトモンと並行してバレンシアガのデザインを手掛けています。

ヴェトモン(Vetements)がブレークさせたモノとは?

オーバーサイズのリュクスなハードアメカジ

ヴェトモンがブレークさせたものはオーバーサイズのメタルバンドやオルタナバンドを髣髴させるTシャツやパーカー。そしてドロップショルダーのボマージャケット、リメイクされたデニムにハイカットスニーカーといった90年代を彷彿させるitemであり、スタイリングです。

現在メンズスタイルを中心に大ブレークしている90年代スタイルは、ヴェトモンが火付け役である事は疑う余地もありません。

ヴェトモン独特のアームの極端に長いオーバーサイズのアウターはファッションキッズが今最も入手したいと渇望するウエアです。

コラボレーションでも話題をさらったヴェトモン

ヴェトモンの名前を富裕層にまで轟かせたコラボレーション。18ブランドとのコラボレーションはファッション業界にかなりの衝撃を与えました。

しかもコラボレーションブランドが個性豊か。チャンピオンやリーボックといったスポーツブランドから、ハイスペックダウンブランドであるカナダグース、そしてショットやドクターマーチン、ドメスティックブランドはコムデギャルソン。マロノブラニクやブリオーニといったハイエンドブランドまで様々。

当然の如くコラボレーションitemは瞬時に完売。一部の幸運な富裕層のみ手にすることができた幻のギアとなりました。

賛否両論を巻き起こしたヴェトモンのコラボレーションでしたが、ファッション業界に新たな風を送り込んだことは、間違いありません。

ヴェトモン(Vetements)2017-18年秋冬のコレクションは?

ヴェトモンのフィルターを通したリアルクローズ

ヴェトモンの2017-18年のコレクションはまさにリアルクローズです。日常着を表現したコレクションです。ダブルライダースを着用したパンキッシュな若者やオーバーサイズのボマージャケットにスウェットパンツを合わせたバッドボーイ。グラマラスなチェスターフィールドを羽織ったリッチなビジネスマンにレインコートにバックパックを背負ったツーリスト。

街を行きかう人々の日常を切り取ったコレクションは、ヴェトモンのウエアをよりパーソナルなモノに感じさせてくれました。

アヴァンギャルドなitemやスタイリングが犇くコレクションよりも遥かに、モードで前衛的に見えた今回のヴェトモンのランウェイショー。

ラグジュアリーなファーコートを着た淑女の隣にスポーティーなパーカーのフードを被った若い女性が並ぶコレクションはかなり新鮮。そしてエキサイティングでした。

ウエアやスタイリングだけでなく、ショーの演出にも様々なギミックを仕掛けるヴェトモン。トレンドセッターとしてゆとりさえ感じるコレクションでした。

ヴェトモン(Vetements)は新進ブランドからトレンドセッターへ

ファッショニスタが刮目する最重要ブランド

オーバーサイズの独特のシルエットのウエアをリリースし奇抜な新進ブランドとしてマニアックなファッショニスタから絶大な支持を得たヴェトモン。

しかし今では、トレンドセッターとして世界中のファッショニスタが刮目する最重要ブランドとしての揺ぎない地位を得ることに成功しました。

様々なニューカマーブランドが頭角をあらわす2010年代。ファッションの過渡期でもあり、ファッション業界の常識が大きく変わる時期とも言われています。

ヴェトモンを率いる鬼才デムナ・ヴァザリアはパリの老舗ブランドバレンシアガを大きく変えた人物としても注目を集めています。

パリのファッションキッズを夢中にさせるキャッチーでハイエンドなストリートギアをリリースするブランドと老舗ブランドを手掛ける絶妙なバランス感覚を持つ若きデザイナーのデムナ・ヴァザリア。

ストリートスタイルを中心としたリアルクローズファッションを好む彼は、ファッションアイコンとしてもセレブやファッショニスタから注目を集めています。

過激なストリートベースなモードウエアはファッションキッズを陶酔させる事はできても、富裕層を取り込むことは難しいといわれています。

しかし、ヴェトモンのウエアは高感度な大人のファッショニスタや富裕層からも絶大な支持をえています。

それは、ヴェトモンが過激さを売りにしている流行のブランドではなく、マイノリティなラグジュアリーブランドである証明でもあります。

フランス語で”服”というシンプルな意味を持つヴェトモン。ヴェトモンは流行のラグジュアリーアメカジブランドではなく、未来を予見したラグジュアリーブランドです。

ヴェトモンが作り出す疾走感溢れるリアルクローズが、今後もファッション業界を引っ掻き回すことは間違いありません。

INTRODUCTION of THE WRITER

hansu719
name. hansu719
ショップバイヤー、スタイリストを経てフリーライター兼シンガーソングライターが生業です。ハイブランドからストリートstyleまでラグジュアリーな香りのするstyleが好みです。

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