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ロンドン西郊、極上のマナーハウスで、歴史と人々の息づかいを感じる休日を

イギリス各地に点在する、かつての貴族や領主の館、マナーハウス。1666年、第2代バッキンガム公爵が、愛人のために建てたとされているマナーハウスが、ロンドン西郊のタプロウのランドマーク、クリブデンです。

生き残ったマナーハウスたち

上流階級の人々が歴史を華やかに彩ったマナーハウス。時代の流れとともに、貴族社会が終わりを告げると、税金や維持管理の困難さから、主たちはそれを手放さざるを得なくなりました。

幸いなことに、かつての主たちが手放したあとも、博物館やホテルなどに改装されるなどして、その多くは今日まで、取り壊されることもなく、往時の栄華を伝えています。クリブデンは、マナーハウスの中でも特に名が通った存在であり、広大かつ美麗なイングリッシュ・ガーデンと豪奢な宿泊施設を兼ね備えています。

魅惑のイングリッシュ・ガーデン

イングリッシュ・ガーデンあれこれ

イングリッシュガーデンは、18世紀頃に確立したガーデニング様式を言います。16世紀に確立したイタリア式、17~18世紀に確立したフランス式は、幾何学的なデザインをベースに、人工的な美を構築する様式でした。

イングリッシュガーデンは、自然なままの草花の姿を楽しむための様式として、イギリスで独自に発展していったものです。水場の風景をうまく取り入れることで、うるおいを感じられる豊かな風景を作り出しています。

ガーデニング文化発達の背景には、厳しい自然が

イギリスは高緯度帯にあるため、かつては氷河に覆われていました。そのため、氷河がなかった南部を除くと土壌は薄く、植生はお世辞にも豊かとは言えません。

大英帝国の時代、世界各地からさまざまな植物を輸入し、自国の決して彩りが豊かとは言えなかった風景を変えていく。厳しい気候と寒々しい風景、そこから生まれた彩りへの渇望が、百花繚乱と表現しても大げさでないほどに咲き乱れ、結実し、根づいていったのです。

そのような背景を知っておくと、より深く、イングリッシュ・ガーデンをお楽しみいただけるでしょう。

宿泊施設としてのクリブデン

他のマナーハウス同様、クリブデンハウスでは、宿泊も可能です。設備の快適さ、瀟洒さやホスピタリティなどについては、ここで語るまでもないでしょう。

あえて注目点をピックアップするならば、クリブデンの最後の主となったアスター家の存在です。同家は、絵画や家財道具を世界中から買い求め、クリブデンの持つ豪奢さを、さらなる高みにまで引き上げました。

フランス国王ルイ15世の愛妾、ポンパドール夫人の猟館から移築された「会食の間」は、特によく知られているものです。どのアングルをとっても、ヨーロッパ王朝時代の煌めきを感じ取ることができるでしょう。

政界を揺るがした、大事件を乗り越えて

さて、華やかな歴史の中にも、時として暗い事件の影がよぎることもあります。クリブデンハウスは、「20世紀最大のイギリス政界スキャンダル」とされる、プロヒューモ事件の舞台となったことでも知られています。

Another newspaper found in an old piece of furniture. June 1963 and it's all about the #profumoaffair #beforemytime #interiors

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この事件は、1962年、イギリスで陸軍大臣を務めていたジョン・プロヒューモが、高級娼婦と金銭を介した肉体関係を持ったことに端を発します。この女性は同時期に駐英ソ連大使館付の海軍武官とも関係を持っていたため、ことは国家の軍事機密漏洩疑惑にまで発展してしまいました。

時は東西冷戦の真っ只中です。これをきっかけに、保守党、ハロルド・マクミラン政権は瓦解しました。プロヒューモも、自らの政治生命を、自らの過ちで断つことになったのです。

その後、彼が政治の世界に戻ることはありませんでした。しかし、人々に白い目で見られながらも彼は地道に、愚直に、慈善活動に専念したのです。

彼の努力はやがて多くの人に受け入れられるようになり、1975年には叙勲を受けるなどして、名誉を回復します。その後も語り尽くせないほどの賞賛を受け、2006年にその生涯を閉じました。プロヒューモの躓きと、その後の生き方の対照には、誰しもが深い感銘を覚えることでしょう。

クリブデンハウスへ、ようこそ

華やかな邸宅と庭園。昔日より確実に存在していた、領主たちだけでなく、名も知られない住民たちが、確かに生きた証を現代に感じることができる、その空間がクリブデンです。

ロンドン、あるいはイギリスへのご訪問予定がありましたら。クリブデンハウスで、彼の地の歴史と人々の切なる思い、息づかいに、触れてみてはいかがでしょうか。

ロンドン中心部からはやや遠いのですが、ヒースロー空港には近いというクリブデンの立地からは、ロンドン到着後最初の日か、明日はロンドンを発つという日に利用すると、滞在時間を有効に使えるでしょう。

もちろん、ここで豪奢な時間と空間を心ゆくまで楽しみたい。そのようなご希望をお持ちでしたら、連泊をいただいても、十分ご満足いただけることと思います。また、庭園の見学は宿泊客でなくても可能です。イギリス訪問時のオプションとして、ご検討いただければ幸いです。

クリブデン・ハウスについて

ナショナルトラスト(庭園を含めた全般のお問い合わせ)

Address
Cliveden Road, Taplow, Maidenhead, Buckinghamshire, Buckinghamshire, SL1 8NS
Telephone
+44 1628 605069
Email
cliveden@nationaltrust.org.uk

ホテル(宿泊のお問い合わせ)

Address
Taplow, Berkshire SL6 0JF
Telephone
+44 1628 668561
Email
reservations@clivedenhouse.co.uk

INTRODUCTION of THE WRITER

MarineSlime
name. MarineSlime
都市で、リゾートで。

たとえばそこに生きた先人たちの営み、先駆者たちの息づかい、など。掘り下げたり視点を変えることで、ご自身だけの世界との邂逅が実現できるでしょう。

素敵な空間と時間探しのお手伝いができれば、幸いです。

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