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ダイヤモンドの闇。 血塗られたブラッドダイヤモンドの歴史

みなさんは血塗られたダイヤモンド(ブラッド・ダイヤモンド)の名をご存知でしょうか。本来であれば人を美しく見せるためのダイヤモンドが人を殺めるダイヤモンドとして存在していることも事実なのです。特に紛争地域では不正取引が相次ぎ、多くの人の命を奪う恐るべきツールとなっています。消費者も知るべき闇のダイヤモンドの歴史についてご紹介していきます。

別名 紛争ダイヤモンド

血塗られたダイヤ=ブラッドダイヤモンドは別名、紛争ダイヤモンド(コンフリクトダイヤモンド)とも呼ばれています。ダイヤモンド等の宝石類は世界市場で高値で取引されるため、産出国の重要な資金源となっています。

しかしそのダイヤモンドの外貨によって得た資金を武器購入に使用し、紛争を悪化また長期化させる術としても利用されています。

ジュエリー業界では世界共通の認識として、内戦国から産出されるダイヤモンドを紛争ダイヤモンドと定義しており、日本国内ではそのダイヤモンドを取引の対象外にすることを義務づけられています。

日本のジュエリー業界関係者に課せられているKimbeley Process(キンバリー・プロセス)とは

キンバリー・プロセスの由来

キンバリー・プロセスとは、紛争地域で不正に取得したダイヤモンドを規制するために2000年に発足した国際的な取組みのことを指します。南アフリカのキンバリーで最初の会合が行われたことから、このように呼ばれています。

2003年にはこの会合により、ダイヤモンドには「原産地証明書」を添付することが義務付けられていますが、世界条約ではないため各国の対応いかんによるのが現状です。

キンバリー・プロセス参加国は?

2017年現在では約80か国がキンバリー・プロセスに参加しています。日本やアメリカの他、紛争の多発しているアフリカのアンゴラや南アフリカ共和国、中東問題を抱えるレバノンやアラブ首長国連邦もこれに共鳴しています。

中でもEUはダイヤモンドの主な研磨地がベルギーであることや、ヨーロッパというダイヤモンドの取引市場として大きな分母を持つ身としても、有効な手段だと捉えています。

経済産業省が定めるダイヤモンドの輸出入

ダイヤモンド原石の輸出入を行う場合は、「外国為替及び外国貿易法」(外為法)に基づき、次の手続が必要です。
輸出の場合は、経済産業大臣の承認が必要です。輸入の場合は、原則として税関における通関時確認が必要です。

ダイヤモンドの不正取引が世界各地の紛争の資金源になっている状況に鑑み、平成14年11月5日スイス・インターラーケンにおいて、不正に取得されたダイヤモンド原石の輸出入を規制することを目的とした国際的な証明制度(以下「キンバリー・プロセス証明制度」)が採択され、平成15年1月から開始されました。

当該制度においては、ダイヤモンド原石の輸出入に際し、① 船積地域に係る国又は地域において発行された当該ダイヤモンド原石が当該制度に基づき取り扱われたものであることを証する書類(以下「キンバリー・プロセス証明書」)が添付されていること、② ダイヤモンド原石の輸出入が密封された容器にて行われること、③ 非参加国への輸出入を行わないことが義務とされています。

上記の理由から、ダイヤモンド原石の輸出入を行う場合は、「外国為替及び外国貿易法」(外為法)に基づく経済産業大臣の承認等を受ける必要があります。 

公然と闇ルートで流通したダイヤモンド

シエラレオネ共和国

アフリカの西海岸中央部に位置するシエラレオネ共和国では、1990年代にダイヤモンド鉱山の支配権を巡り、内戦が頻発していました。反政府勢力と政府軍との交戦で、死者が7万人以上出るという最悪の状態だったのです。

しかし内戦の結果、反政府勢力がダイヤモンド鉱山の支配権を有し、同国内で発掘されるダイヤモンドを資金源にしばらくは反政府勢力による統治が続いていました。

ダイヤモンドと一言で言っても、実は宝飾用に使用することができるものはごく限られていますが、このシエラレオネで採れるダイヤモンドは総採掘量の60%が宝飾用としての価値があるものだっため、非常に高値で取引が行われたのです。

当時は以前から闇ルートが存在していた隣国のリベリア人、ユダヤ人、レバノン人等が公然と不正取引を行っていたと言われています。

シエラレオネはその後治安も良化し、平和的に統治体制を確立させたことから2005年には国際社会に認められる国となっています。

アンゴラ共和国

1975年に独立したアンゴラでは、当時のソ連のバックアップを受けるアンゴラ人民解放機構と、アメリカに後ろ盾がある反政府勢力の間で内戦が続いており、それは1990年代にまで及んでいました。

国連が調停に入り、独立以来、2002年には約30年に渡る長き争いに終止符が打たれました。

この内戦の長期化の背景も実はダイヤモンドにありました。シエラレオネと同様、アンゴラで発掘されるダイヤモンドは高品位で、採掘される7割~9割が宝石質という非常に質の良いダイヤモンドだったからです。

2017年現在アンゴラはキンバリー・プロセスの参加国であり、毎年の生産量が不安定でおよそ100万~270万カラットと推測されています。が、一説によると闇ブローカーによりその8割は密輸されているとも言われています。

安全なダイヤモンドを手に入れるためには

かつてはアフリカで頻繁に行われていたブラッドダイヤモンドの取引ですが、国際的な各国の協力体制もあり、20年前に比べるとだいぶ事態は良化してきました。

しかし根の深いパレスチナ問題を抱えた中東地域のうち、特にイスラエルは以前よりダイヤモンドの重要なルートとなっています。

日本におけるジュエリー業界関係者は常にこの紛争地域を経由するダイヤモンドのルートをチェックした上で仕入れを行うことを義務づけられており、当然取引する際にはキンバリー証明書が添付されたものを使用しています。

例えば原石の状態でロシアから輸入し、カットをインドで行った場合、それぞれにキンバリー証明書が必要となり、日本に輸入する際には税関で厳しくチェックを受けています。

もちろん100%とは言い切れませんが、日本においては業界内が厳しく統制されているので、日本国内のダイヤモンドなら比較的安全性が高いと言えるでしょう。

大切な人のために買ったダイヤモンドが血にまみれ人を殺めるダイヤモンドにならないよう、消費者の私たちも今後さらに認識を深める必要がありそうです。

INTRODUCTION of THE WRITER

結城まい
name. 結城まい
普段はPRライターをしています。その他、音楽やジュエリーのサイトでも執筆中です。自分で書いた「おしゃれ観葉植物5選」の記事を読み、ミイラ取りがミイラに。すくすく育つフィカスウンベラータ(♡の葉っぱのやつです)が可愛くて、朝、自分がお水を飲むより先に水やりをするのが日課です(*'▽'*)

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