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キャンベルのスープ缶に込められた鬼才アンディ・ウォーホルのメッセージ

ウォーホルのキャンベル缶、32個のキャンベルの缶スープとも称されるポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルを代表する作品の一つ。シルクスクリーンによる作品であり、非絵画的アプローチともとらえられる作品がなぜここまで人々を引き付けるのか?鬼才アンディ・ウォホールがキャンベルのスープ缶を作品に選んだ理由と彼の作品を通し、伝えたかったメッセージとは?

キャンベルのスープ缶はどのような経緯で生まれたのか?

アンディ・ウォーホルを代表する作品である最も有名な作品の一つ

MoMA Mondays #andywarhol #campbellsoup

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アンディ・ウォーホルの作品に「キャンベルのスープ缶」という作品がある。アンディ・ウォーホルをご存知ない方でもこの作品は目にしたことはあるかと思います。オリジナル以外にもポスターやレプリカが存在するほど有名で人気の高い作品。芸術作品と言うよりもインテリアとしてオフィスや自宅に飾っている人も少なくない。勿論レプリカが殆ど。今最も高いと言われる作家の作品です。美術品全体がバブルの頃の半分ほどの価格で取引されていると言われる現在においても、ウォーホルの作品は年々価格が上昇中。画商が買っておいて間違いないと胸を張って言える数少ない作家です。今でこそ手の届かない程の価格で作品が販売される画家であるウォーホル。キャンベル缶を並べただけの作品で勝負したウォーホルの意図と当時の美術界に対するメッセージとは?

キャンベルのスープ缶が作ったポップアートという名の芸術

ウォーホル流ファインアートの助長

ポップアートという言葉を当たり前に耳にする現在ですがこの言葉ができ、アート作品として認められるようになったのはウォーホール以降である事は間違いありません。当時ポスターに近い存在で有り同党の価値であったポップアート。つまり広告であり役目が済めば廃棄してしまうものとしての扱いでした。「キャンベルのスープ缶」をウォーホルが製作したのは1962年。ウォーホルは「ファインアート」つまり芸術の世界に身を置こうと考えていた時期でした。元々イラストレートとして成功を収めていたウォーホルが芸術家に転身したのがキャンベル缶を製作する2年前の1960年。当時のニューヨークはすべての中心。ニューヨークから発信されるものすべてが新しく刺激的とされていました。ファッションやアート音楽も全てニューヨークが最先端だった時代です。当時32歳だったウォーホールはコミックを題材にした作品を制作、発表します。元々イラストレーターとしても高いギャラを得ていたウォーホルの作品の評価は悪いモノではありませんでした。

love it #andywarhol

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しかし当時一世を風靡していたのはウォーホルと同じアメコミをテーマにしていた「ロイ・リキテンスタイン」。リキテンスタインの作品を目にしたウォーホルはコミックをテーマにした作品から手を引く事になります。当時、飛ぶ鳥を落とすリキテンスタインの作品に触れウォーホルが何を感じたのか分かりませんが、リキテンスタインの作品を目にしなければ「キャンベルのスープ缶」という作品は生まれなかった可能性もあります。仮に生まれたとしても時期も随分後であり評価も違ったはずです。

キャンベルのスープ缶とはどんな作品?

キャンベルスープカンパニーのスープ缶を描いたシルクスクリーン作品

#campbells #warhol #andywarhol #popart #foodporn

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「キャンベルのスープ缶」とは32個のキャンベルスープ缶とも称される通り、32枚のキャンバスを並べた作品です。一つのキャンバスの大きさは高さ20インチ、幅16インチ。商品とも思える作品ですが32枚が整然と並んだ姿は圧巻です。あくまで32枚で一作品。壁を覆うように配置されたキャンベル缶は無機質でありモダン。これが今から50年以上前に発表された作品とは思えない程スタイリッシュ。芸術作品にスタイリシュと言う表現が正しいのか否かはわかりませんが、人々を魅了する事は間違いありません。ポップアートの幕開けとも言われるウォーホルのキャンベルスープ缶。当時の芸術作品とは異なり異質な雰囲気を漂させる作品は製作手法も当時話題となりました。この作品はスクリーン印刷。シルクスクリーンとも呼ばれる版画です。版画は従来から存在する手法ですが、この作品は機械的な手法で製作されています。あえて非絵画的アプローチで臨んだウォーホルの作品。かなりの衝撃を美術界に与えた事は言うまでもありません。

キャンベルのスープ缶の当時の評価は?

非難の声が多かったが新しい絵画の可能性を示した作品

#AndyWarhol #art #gallery

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1960年代70年代の美術界がアンディ・ウォーホルに下した判断は二流作家。アートではなく商業デザインレベル。芸術作品と言うのは長い年月をかけて作り上げられる事にも価値を見出しています。これは現在の美術業界でも同じ。そしてアート、絵画に関してはカンバスに油絵で描いていくこそが芸術であり、絵画とみなされていました。この価値は現在もそれほど変わらない気がします。同じ画家でも水彩画よりも油絵の方がプライスは高い。これは未だに美術界の常識に思います。長い年月をかけなければ完成されない油絵は高価、そして絵画としてはトップ。その風潮が今よりも遥かに濃い時代にシルクスクリーン作品が高評価を得るはずはありません。絵画は才能あふれる天才が命と魂を削って製作するもの。それをウォーホルはいわば誰にでも出来る方法で作品を制作、発表したことになります。

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二流の作家ウォーホルの評価も自身にとってもどこ吹く風。寧ろ想定内の評価だったように思います。ウォーホルの目的は自分の作品を世の中に広める事であり、新しいアートのカタチを提示する事。つまりこの酷評でさえ、ウォーホルにとっては追い風となります。つまり今後発表するどんな作品であろうと評価事を意味しています。美術界に中指を立てたとも思えるウォーホルの反骨心むき出しの作品。それでいてどこか冷めていて客観的に自分の作品を眺めるウォーホル。美術やアートは何でもあり。キャンベルのスープ缶と言う本来表現したいことを表現するべきという品質を教えてくれている作品でもあるように思います。

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キャンベルのスープ缶をウォーホルが発表した後に生まれる「ポップアート」と呼ばれる作品であり表現方法。つまり芸術の新しい可能性を確実に示した作品でもあります。最も崇高なモノである絵画を小バカにしたウォーホルは作家である自分自身も作品として生きる事を決めたようにも思います。

キャンベルのスープ缶に込められたウォーホールのメッセージ

皮肉であり目まぐるしい発展を遂げるアメリカ社会への軽視

Arte arte arte #MoMA #Warhol #Campbells #recuerdo 😀❤️

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キャンベルのスープ缶を発表後もウォーホルはシルクスクリーンの作品を数多く発表します。シルクスクリーンは機械的な作業。いわば誰にでも出来る作業です。誰にでも出来る作業でアメリカの食卓には欠かすことの出来ないキャンベルのスープ缶を表現。つまりアメリカと言う国そのものを軽視している共取れます。キャンベルのスープ缶はアメリカ。そしてポップアートと言われる大衆芸術によって表現。目まぐるしく発展を遂げるアメリカ。そして発展には付き物の闇であり、手つかずのまま山積みになる問題。アンディ・ウォーホルの作品は常にアメリカを表現していると言われます。モダンで最先端のアメリカ社会をポップアートと呼ばれる軽快な作品で表現。しかしテーマにしているモノは資本主義や個人主義、大衆文化という名の大量生産と大量消費。その隙間から漏れる虚無や空虚感。のちに発表する事となる「マリリンモンロー」においてもハリウッドスターでありアメリカを代表する偶像。アメリカのシンボル的女優のマリリンモンローの肖像画を何枚も製作し、作品として発表。「ナイアガラ」という作品の写真をシルクスクリーンプリント作品は当然の如く物議を醸しだします。しかし皮肉なことにこの「マリリンモンロー」もウォーホルを代表する作品であり、数千万円での取引が当たり前となっている作品です。

キャンベルのスープ缶を知らないアメリカ人はいない

大統領から労働者まで

Interested in some chicken noodle, bae? 📸: @karlacodi #baesandart

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アメリカ人でキャンベルのスープ缶を知らない人はいないと言われています。キャンベルのスープ缶を置いていないスーパーはなくアメリカではソールフードとも言われるキャンベル缶のスープ。コカコーラ同様に誰が見ても分かるモノ。そしてそれぞれの感情が移入しやすく出来るだけ無機質な感じを与えられるモノ。ウォーホールの作品の特徴でもある大量生産と大量消費が作るアメリカ。大統領から日雇いの労働者まで口にするキャンベルのスープ缶。ウォーホルも毎日口にしたと言われています。アメリカを代表するいわばアイコンともいえるキャンベルのスープ缶。それをシルクスクリーンによる大量生産を作品としたウォーホル。キャンベルのスープ缶に込められたウォホールのメッセージは受け手次第。

シニカリストとしてのイメージが先行するアンディ・ウォーホル。発言や作品から皮肉屋のイメージが強い。しかし、このキャンベルのスープ缶には肯定的な見方もあるようです。大量生産大量消費大国アメリカを皮肉った作品であると見解の他にも最近では本当に好きだったモノを作品にしただけとも言われています。キャンベルのスープ缶を毎日飲んでいたのは単純に好物だった為。そして、マリリンモンローもウォーホル自身が大ファンだったから。ウォーホル亡き今となっては真相は闇の中ですが、真相を知る必要さえない気もします。アート作品はどう感じても間違いではない。

キャンベルのスープ缶はセレブレティーに愛され続ける作品

数々の著名人がキャンベルのスープ缶を所有

今最もセレブレティーの愛されている作家の一人であるアンディ・ウォーホル。特に代表作品であるキャンベルのスープ缶は数々の著名人が所有されています。ウォーホルの作品はシルクスクリーンの為同じモノが何枚も存在します。同じモノが存在するという価値感もアートとしては新鮮です。ウォーホル作品のコレクターでも知られるNIGO氏もキャンベルのスープ缶を所有している一人です。広く高い壁に掛けられたウォーホルの作品は圧巻です。まるで美術館で鑑賞しているような錯覚に陥ります。アート作品を所有して楽しむには広い部屋、つまりハコも重要だという事を思い知らされます。ポスターやインテリア感覚で飾る事の出来るウォーホルの作品は比較的インテリアの邪魔になりません。場所を選ばない作品である事もウォーホルの作品がセレブに人気の高い秘密のように感じます。そしてセレブでなくてはウォーホルの作品は購入する事が出来ません。

キャンベルのスープ缶の価格は?

状態にもよるが数百万から

#moma#art#NY#ニューヨーク #themuseumofmodernart #andywarhol#campbellssoupcans

creators_parkさん(@creators_park)がシェアした投稿 -

年々値段が上がっていくウォーホルの作品。10年前と現在では5倍から10倍ほどの金額が上がったとも言われています。キャンベルのスープ缶の価格は?状態にもよりますが数百万円からと言われています。平均は300万円から500万円で取引されているそうです。今後も値段が上がる事が予想されます。

キャンベルのスープ缶によって開かれたポップアートの未来

アンディ・ウォーホルの残した軌跡

A different kind of soup kitchen. 🎨 • Campbell's Soup Cans I, Andy Warhol, 1968.

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アーティストとは否定や非難される存在。売れっ子のイラストレータであり商業デザイナー。大成功を収めた仕事に終止符を打ち、挑んだ芸術という世界。アーティストとしても成功を収めたウォーホールは常に称賛と非難を浴び続けます。しかしウォーホルが切り拓いたポップアートというジャンルは高い評価を得る事となります。キャンベルのスープ缶が残したものは近代美術の新たな可能性と未来とも言えます。

INTRODUCTION of THE WRITER

hansu719
name. hansu719
ショップバイヤー、スタイリストを経てフリーライター兼シンガーソングライターが生業です。ハイブランドからストリートstyleまでラグジュアリーな香りのするstyleが好みです。

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