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アンダーカバー×タカヒロミヤシタザソロイスト. 世界を熱狂させた合同ショーが導く メンズファッションのアティチュード

2018年1月11日にイタリア、フィレンツェでアンダーカバー(UNDERCOVER)とタカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist. )による合同ファッションショーが行われました。ピッティ・イマージネ・ウオモにゲストデザイナーとして招かれた、高橋盾と、宮下貴裕。熱狂的なファンを持つ、カリスマデザイナーの二人が合同でショーを行うと言うニュースには世界中のファッションフリークが狂喜乱舞しました。90年代世界的ムーブメントを牽引した所謂、裏原ブランドのパイオニアであるアンダーカバーと、熱狂的なファンを持つ世界中に持つ、タカヒロミヤシタザソロイスト.の合同ショーがイタリアで行われると言う事実は、ファッション界に於いて奇跡と言っても過言ではありません。ピッティ・イマージネ・ウオモを興奮の坩堝に誘った東京2大ブランドのファッションショーと、二人の天才デザイナーに迫ります。

アンダーカバー×タカヒロミヤシタザソロイスト.の合同ショーにファッションフリークが熱狂

2018年にピッティ・イマージネ・ウオモで起こった奇跡

2018年はファッション界に大きなニュースが舞い込む事が多いように感じます。キム・ジョーンズのルイ・ヴィトン退任や、エディ・スリマンがセリーヌのアーティスティック・ディレクターとしてのカムバックもファッション界に衝撃を与えました。

そして2018年1月11日に、ピッティ・イマージネ・ウオモに奇跡が起こりました。日本を代表する、カリスマデザイナー二人がゲストとして、ファッションショーを行いました。

そのデザイナーが、高橋盾と宮下貴裕です。ファッションフリークや、ファッションジャーナリス御用達ブランドである、アンダーカバー(UNDERCOVER)とタカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist. )のデザイナーである二人が、なんと合同でファッションショーを開催、大きな話題となりました。

ピッティ・イマージネ・ウオモにてアンダーカバーがショーを行うのは、実に9年ぶり、そしてタカヒロミヤシタザソロイスト.が海外でファッションショーを行う事は初めてです。

しかも、合同ショーは、ピッティ・イマージネ・ウオモにとっても初めての試みでした。

熱狂的な人気を誇る日本を代表する2大ブランドの合同ショーが、イタリア、フィレンツェで行われるという事実に、日本のファッションフリークは勿論、世界中のファッションフリークが狂喜乱舞しました。

東京のユースカルチャーを体現したワードローブで、ヤングファッショニスタを熱狂させた、アンダーカバーは、今ではパリコレの常連となっています。

一方、宮下貴裕も、伝説の東京ブランドである、ナンバーナイン(NUMBER (N)INE)をローンチし、時代の寵児となりました。

2000年代初頭、最も入手する事が難しいメンズブランドと称されたカルト的人気を誇るナンバーナインは、2004年にコレクションの場所をパリに移します。

つまり、二つのブランドも海外コレクションでは、圧倒的にパリのイメージの強いブランドでした。

”ストリートとモードの中間"と称された、ニュースタイルに、音楽を感じさせるエッセンスを注入したアンダーカバーと、タカヒロミヤシタザソロイスト.。

現代のハイエンドリアルクローズスタイルや、ハイブリッドモードスタイルの先駆け的ブランドでもある2大ブランド。

ラグジュアリーでゆとりのある富裕層が好むイタリアンブランド。色っぽいスーツやテーラードジャジャケットを粋に着こなすハイエンドな、ファッションセレブが好むブランドが犇くイメージのイタリアでのショーは、アンダーカバーにとっても、ソロイストにとっても、いわば、アウェイのように感じます。

デニムやTシャツ、そしてバイカーズジャケットにブーツを合わせるストリートスタイルがベースにあるアンダーカバーと、ソロイスト。

同時に、パンクとロックがまるで血のように通い、ソリッドなユースカルチャーファッションを昇華した、2つのブランドのショーが、イタリアで行われる事にも、違和感にも近い驚きを感じたファッションジャーナリストや、ファッションエディターも多かったはずです。

全くの未知数である、イタリア、ピッティ・イマージネ・ウオモで行われた、2大カリスマブランドの合同ファッションショーに迫ります。

アンダーカバー×タカヒロミヤシタザソロイスト.のピッティ・イマージネ・ウオモでの2018‐19年秋冬コレクション

2部構成のショーはアンダーカバーからスタート

初の合同ショーが行われた、ピッティ・イマージネ・ウオモ。2部構成も勿論初めての試みです。ファッションショーは、アンダーカバーの2018‐19年秋冬コレクションからスタートしました。

テーマはアンダーカバーが”order - disorder”そして、ソロイストが、”disorder - order”と二つの反転させたワード挑みました。

モード且つフェミニンな要素が散りばめられた、ロングのプリーツスカートは、2017‐18年のアンダーカバーのボトムスの中では印象的なアイテムでした。

ベージュやライトグレー、そして黒のプリーツスカートの他、製品洗いを掛けた、ダークトーンのチェックのプリーツスカートも登場。スタイリングは、プリーツスカートと同色同素材のトップスがあわせられていて、セットアップとして成立していました。

フォークロアであり、厳粛な空気感を纏ったプリーツスカートとのセットアップスタイルは、90年代後半のモードスタイルを髣髴させるノスタルジーをも漂わせていました。

モードスタイルからは90年代アメカジへ

ロングプリーツスカートメインとしたスタイルからスタートした、アンダーカバーのコレクションでしたが、全体としては、デイリーな、ストリートスタイルをベースとしたアイテムが中心でした。アメカジテイストの強いチェック柄のコートやブルゾンはノスタルジックな90年代のストリートスタイルを感じさせながら、何処となく近未来なスペーシーな香りも漂います。

アーガイル柄のニットとカーディガンのアンサンブルは、懐かしく古着ライクな着こなしも90年代後半のアンダーカバーを髣髴とさせてくれました。

バッファローチェックのアメカジテイストの強いロングコートも今回のコレクションでは、多くのファッションジャーナリストが注目していたアイテムです。

ウォッシュ加工が施されたコートは、ラグランスリーブのリラックスしシルエット。バックと胸に施された白のメッセージプリントがよりストリートテイストを強めていました。

オーバーサイズのコートには、シンプルなパンツをあわせ、レインブーツのようなラバーブーツをセット。

今回のテーマである、”order - disorder”のメッセージの入ったラバーブーツは、色違いで何色か登場し、アンダーカバーのメインシューズとして抜群の存在感を放っていました。

スカートから、アメカジ、そして、宇宙服を纏った人物や、宇宙船の内部であろう画像がプリントされたアイテムもランウェイに登場しました。

その理由は、”2001年宇宙の旅”からインスピレーションを受けて、今回のコレクションに挑んでいるからです。

全面に、宇宙服を纏った人物をプリントしたインパクトの強いステンカラーコートは、ドロップショルダーのノーブルなシルエット。インナーはタイトなタートルネックに、リフレクターを配したような、ルーズなスウェットパンツのバランスが、近未来的でもありノスタルジックでもある不思議なモダンさを演出しています。

スペーシーなテイストのプリントが施された、ガーメンツは、コート以外にも、コーチジャケットや、スウェット、フライトジャケットに、モッズコートとバリエーションはかなり豊富。

ベーシックなガーメンツに施したスペーシーテイストのプリントは、モダンで、同時に強いメッセージ性を感じる取ることもできました。

ファッションショーを通して魅せたアンダーカバーからのワーニング

今回のアンダーカバーのコレクションは”警戒”に似た強いメッセージが込められています。”人間が人工知能に支配されていく”と言う警笛を鳴らした2018-19年の秋冬コレクション。

”2001年宇宙の旅”に着目した理由もそこにあります。スペーシーなグラフィックと共に、”HUMAN ERROR”や”COMPUTER MALFUNCTION”等の意味深なメッセージが刻まれたガーメンツが登場。デイリーなアメカジウエアに刻まれたメッセージは強く、ファッションとして処理する事ができないほどのインパクトを放っていました。

メッセージが刻まれたガーメンツは、プルオーバータイプのダウンジャケットや、ネップ素材のショート丈のコーチジャケットが登場。90年代のストリートスタイルを代表するアイテムがノスタルジック且つ、モダンにショーを彩っていました。

ストリートテイストにスポーティーな要素をプラスしたガーメンツは、ワーニングを表示していながらもポップで軽快なリズムをショー全体に与えていました。

リラックスした、スラックスや、スウェットパンツの上にセットしたスタイリングも秀逸で、テーラードジャケットや、スーツの上に、コーチジャケットやマウンテンパーカーを羽織る着こなしもベーシックでありながらスタイリッシュでした。

アクセサリーのように登場した、カメラをグラフィックしたボディーバッグも、ショー全体を引き締めるスパイスとしては抜群で、アイテム自体はポップでカジュアルなのですが、強いメッセージ性を感じるアイテムでした。

身体にフィットさせるようにスタイリングされたボディーバッグの使い方もスタイリッシュで、タイト過ぎるほどのセッティングが、2018年秋冬のボディーバッグのトレンドの使い方に、なるような予感さえ感じました。

そのほかにも、巾着のようなフォルムのワンショルダーバッグも登場。スポーティーで、デイリーなワードローブの多い、アンダーカバーの2018-19年の秋冬コレクションにマッチしていました。

ナイトウエアもトレンドアイテムの兆し

カジュアルウエアをベースとしたアイテムで構成された、ピッティ・イマージネ・ウオモでのアンダーカバーのコレクション。テーラードジャケットやスーツも登場しましたが、全体を通じて、ストリート色の強いリアルクローズウエアをメインとした流れのファッションショーでした。

その中で異彩を放っていた、パジャマの上にガウンを羽織った、ナイトウエアールック。ゆったりとしたパジャマの上に切りっぱなしのグランジな雰囲気のガウンを羽織ったスタイリングは、優雅なルームウエアであると同時にパンキッシュなムードが立ち込めていました。

パジャマやガウンをタウンユースに用いる、パンキッシュなグランジスタイルと、あくまで優雅なルームウエアとしての、パジャマにガウンを合わせるスタイルの、二面性を表現しているようでもありました。

宇宙服を連想させるダウンウエアは圧巻

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そしてフィナーレは、宇宙服を連想させるカラフルなダウンジャケットが登場。”人工知能に支配される人間への警告”のテーマ通りのガーメンツである、ダウンジャケットは、ショーのフィナーレを飾るにはぴったりの強いインパクトを与えてくれました。

今回のアンダーカバーのコレクションは、ウエアの素晴らしさ以上に、強く壮大なメッセージに衝撃を受け、共感したファッショニスタやファッションジャーナリストも多く、コレクション後、デザイナーの高橋盾は多くのマスメディアに囲まれていました。

強いメッセージを込める事も可能であると言う、ファッションショーの在り方を再確認できた、コレクションでもあり、アンダーカバーというブランドの本当の意味での強さと反骨精神を、世界中に証明する事ができたように感じます。

30分のショーの中には物語りやメッセージが込められており、まるで短編映画のような仕上がりだったと感想を述べたファッションジャーナリストもいました。

毎シーズン、グッズやアクセサリーにも注目が集まるアンダーカバー。鮮やかなキャップやスペーシーな雰囲気のグローブも今回のアンダーカバーを象徴する重要なプロダクツでした。

disorder-orderのテーマに挑んだタカヒロミヤシタザソロイスト.

アンダーカバーのテーマである、”order-disorder”を反転させた、”disorder-order”を掲げた、タカヒロミヤシタザソロイスト.のコレクション。

反転させた文字通り、アンダーカバーとは真逆ともいえるのアプローチでコレクションをスタートさせました。

ナンバーナイン時代はパリでのコレクションを当然のようにこなし、世界中のファッションジャーナリストやファッションセレブから絶大な支持を得ていた宮下貴裕。

しかし、ソロイストが海外でランウェイショーを行うのは初めて、しかも、イタリアでのコレクションは、ナンバーナイン時代を含めて、初めての試みです。

海外のファッションフリークの間で既に、高い評価を得ている、ソロイストのワードローブ。ニューヨークの著名なファッションジャーナリストが、宮下の事を日本のエディ・スリマンと称し絶賛した事は有名な話です。

実際に、エディ・スリマンもナンバーナインのガーメンツを来日時に大量に購入した事でも知られています。

ソロイストがランウェイでのコレクションを行ったのは、2018年春夏の東京コレクションが初めてです。2009年‐10年秋冬のパリコレ以降の約9年ぶりとなる、宮下のランウェイショーには多くのファッションフリークが熱狂しました。

2回目のランウェイショーをイタリアで行ったタカヒロミヤシタザソロイスト.。黒と白そしてオレンジと言う3色で初の海外コレクションに挑みました。

アンダーカバーのカラフルなデイリーウエアをベースとしたコレクションとは異なる、ダークで重厚なソロイストらしいコレクションをイタリアでも展開。

ソロイストのアイコニックカラーでもある黒の可能性を追及したような、レイヤードスタイルは、重々しく息苦しくもありありながら、エレガントでノーブル。80年代のジャパニーズモードブランドにも似たノスタルジーと気迫が混在していました。

かつてのナンバーナインのパリコレを髣髴させるような感覚に陥りました。

黒を印象的に使ったコレクションであり、元々宮下の得意とするレイヤードテクニックがより際立ったファッションショーでした。世界的に見ても、黒の使い方に関しては、トップクラスのセンスとテクニックを持つデザイナーである宮下の漆黒の世界には静寂と凛とした潔さが張り詰めていました。

ナイロンやウールそしてレザーの、異なる質感の黒の風合いや、輝きを細かく、計算したうえで行ったレイヤードスタイルは、この上ないほど美しく、おそらく宮下貴裕でしか創り上げる事のできない超絶的な世界観を表現していました。

宮下の作品を、ランウェイで初めて見るファッションジャーナリストに、衝撃を与えた事は勿論、ナンバーナイン時代からの宮下のファンにも、圧倒的なインパクトを与えたコレクションであることは間違いありません。

”袖を通す事のできる芸術品”と称されるタカヒロミヤシタザソロイスト.の真骨頂を見せ付けられたランウェイショーでした。

基本的には、黒と白そしてオレンジの3色で構成された、コレクションですが、クラシカルな、グレンチェックのジレやジャケットもランウェイに登場。

元々クラシカルなメンズウエアに関しても造詣の深い、宮下のモダンでエレガントなスタイルやガーメンツまで楽しむ事ができました。

充実したレザーアイテム

レザープロダクツが充実していた2018‐19年秋冬のソロイスト。レザーウエアには定評のある、タカヒロミヤシタザソロイスト.ですが、定番のレザーパンツやレザージャケットの他に、レザーのマントやオールインワンにも見えるアイテムまでも、今回はランウェイに登場しました。

オールブラックスタイルにレザーのマントを羽織ったスタイルは圧巻で、マスクで顔を覆っている為、表情は見る事は皆無なのですが、フラストレーションや怒りにも似た感情が、このスタイルからは伝わってきました。

オールレザーで仕上げたアイテム以外にも、パーツとしてレザーを使用したアイテムも多く、得意のワントーンレイヤードでも、レザーパーツやレザーアイテムが、独特の存在感を放ち、コレクションに重みを与えていました。

レザーパンツはタイトなストレート以外にもルーズなシルエットのパンツも登場。レザーパンツの完全復活の兆しを見る事ができました。

レイヤードがメインのショーの為、アイテムとして輪郭は曖昧ですが、レザージャケットもかなりのバリエーションがランウェイに登場した事は確実です。

ナポレオンジャケットやスリーブレスジャケット、そしてオーバーサイズのロングジャケットのレザーモデルもランウェイには登場していたように思います。

ストイックなブラックレザーのガーメンツは、今季もソロイストのメインアイテムです。

アイコニックアイテムのダウンジャケットも登場

ソロイストのアイコニックアイテムであり、宮下自身も頻繁に愛用しているダウンジャケットもコレクションに登場。

フライトジャケットを髣髴とさせる、タフでボリューム感のあるダウンジャケットや、ダウン素材のマントや、頭巾といった様々なダウンプロダクツも充実していました。

オールブラックのレイヤードスタイルにプラスされたダウンitemは、独特の艶が艶かしく、デイリーウエアである、ダウンジャケットをエレガントなガーメンツへと昇華させている様に見えました。

ダウン製のマントは肩に掛ける以外にも、腰に巻いた使い方もソロイストらしく、かつてのナンバーナインのパリでのコレクションを思い出せてくれます。

一方、防災頭巾の様にも見えるオレンジのダウンキャップは、近未来的なスタイルでもあり、レスキュー隊のユニフォームを連想させるストイックな雰囲気も纏っていました。

ソロイストには珍しいオレンジ1色で完成されたスタイリングもランウェイに登場し、緊張感にも近い強烈な存在感を放っていました。

頭巾やマスクでモデルの顔を覆った2018‐19年秋冬のタカヒロミヤシタザソロイスト.。その独特の演出も、ソロイストのガーメンツをより魅力的に、映し出していた事は確実です。

海外のランウェイで見る、久しぶりの宮下のコレクションに感動するファッションジャーナリストが大勢いた事は事実です。

ピッティ・イマージネ・ウオモにて初の海外ランウェイショーを終えた宮下は、これが最後になる可能性はあると述べたものの、「機会があれば、またショーはやりたい」とインタビューで答えています。

ストリートとモードの強さを独自の世界観で表現した、タカヒロミヤシタザソロイスト.の2018‐19年の秋冬コレクション。

芸術的なレイヤードスタイルと黒の強さを証明し、鮮烈なカラーによる新たなソロイストの可能性をも世界に見せ付けたショーだったように感じます。

レイヤードにより独特のシルエットやスタイルを創り上げる事を得意とする、タカヒロミヤシタザソロイスト.ですが、アイテム単品で見ると作りこんだベーシックなアイテムも多く、ダウンウエアやレザージャケットはデイリーユースに最適なガーメンツも数多く登場した今回のコレクションでした。

感動のグランドフィナーレに喝采の嵐

ソロイストのショーが終了しグランドフィナーレは、アンダーカバーの白のプリーツスカートを穿いたモデルと、黒のノースリーブにスキニーパンツ穿いたソロイストのモデルが登場。

黒と白の衣装に身を包んだ、モデルが闊歩するランウェイは、幻想的であり厳かな雰囲気も醸し出され、芸術的という言葉が最適。

感動的なフィナーレに会場からは大きな拍手が送られました。歴史に残る感動的なフィナーレで幕を閉じた、アンダーカバーと、タカヒロミヤシタザソロイスト.による合同ショー。

日本が誇る2大ブランドの圧倒的な存在感を見せ付けられた贅沢なファッションショーでした。この合同ショーはメンズファッションの歴史を大きく変える事は確実です。

アンダーカバーとタカヒロミヤシタザソロイスト.の未来

メンズファッションを牽引する二人の天才のヴィジョン

アンダーカバーとタカヒロミヤシタザソロイスト.の未来は=メンズファッションの未来であると断言しても差し支えはないかと思います。

90年代から日本のアンダーグランドシーンやユースカルチャーを落とし込んだ、ガーメンツを発表し、唯一無二の存在感でヤングファッショニスタやファッションフリークを熱狂させた、天才デザイナーである、高橋盾と宮下貴裕。

紛れも無い天才デザイナーである、二人は、20年以上、ファッション界のトップランナーとして走り続けています。

スタイリスト野口強の呼びかけにより、アンダーカバーとナンバーナインは同じセレクトショップに並んだ事もあります。

ブランドは勿論、デザイナーとしても常に注目を集める、高橋盾と宮下貴裕。インフルエンサー二人の発言には、ファッション界の常識を覆すほどの力があるとも言われています。

似ているようで似ていない二人の天才と二つのカリスマブランド

ブランドスタートは、高橋盾の方が早く、1990年にアンダーカバーを一之瀬弘法と共に設立。当時、高橋はまだ、文化服装学院在学中の学生でした。

文化服装学院卒業後、本格的にデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた高橋は、1993年に伝説のショップである”NOWHERE”をNIGOと共にオープンさせます。

ここから裏原宿ムーブメントが始まり、東京を拠点としたユースカルチャーファッションが世界中のファッションフリークを虜にします。

1997年に宮下貴裕がナンバーナインを設立

宮下がブランドをローンチするのが1997年。既にアンダーカバーは、世界中のファッションフリークの間で絶大な人気を誇っていました。

宮下は、伝説的な東京ブランドであるナンバーナインNumber (N)ineをスタートさせます。宮下は高橋と違い、服飾に関して専門的な教育を受けた事がありません。

つまり、高橋と宮下は、全く異なるスタート地点から服作りを始め、ファッションフリークを熱狂させるカルト的ブランドを創り上げました。

高橋と宮下の付き合いは長く20年になるといいます。プライベートでも交流のある二人は、「盾」、「宮下」と呼び合う仲です。

作りたいものを作り続けるスタンス

二人の出会いは、高橋盾がナンバーナインのショーに訪れた事がきっかけのようです。「既に盾はスターだった」と当時を振るかえる宮下は、自分のショーに高橋が訪れた事に酷く驚いたそうです。

高橋は、「90年代後半に音楽を感じるブランドが殆ど存在していなかった中、ナンバーナインだけは違った」とインタビューで答えています。

絶対的なリスペクトを持って友情を育んだ二人の天才デザイナーは、流行に興味はなく、カリスマと持て囃される事にも違和感を感じていると言います。

作りたいもの創るスタンスは、ブランドを始めた当初と全く変わっていないという高橋盾。20代前半のフラストレーションをぶつける様な服作りに、長年のデザイナー人生で構築されたテクニックが無意識に作用し、アンダーカバーは、独特の存在感を放つ、ブランドへと昇華しました。

アンダーカバーが創り上げた、ユースカルチャーと音楽をミックスした、新しいブランドのスタンスに、当時宮下も衝撃を受けた一人だったと言います。

アンダーカバーの登場により、ファッションの既成概念は崩壊し、無限の可能性が広がったと、宮下は過去のインタビューで答えていました。

アンダーカバーが創ったブランドのスタンスを模倣するわけでもなく、独自のマインドとセンスで構築したナンバーナインは、熱狂的なファンを持つカリスマブランドとして、一大ムーブメントを起こしました。

”第二次裏原ムーブメント”のパイオニアブランドと称されたナンバーナインは、著名人が好んで着用した影響もあり、商品の入荷日には長蛇の列ができる事が当たり前となります。

現在でも、宮下がデザインしていた当時のナンバーナインのガーメンツは、ファッションフリークの間では高額で取引されている事でも有名です。

そして現在、タカヒロミヤシタザソロイスト.を率いる宮下貴裕は、ナンバーナインよりも更に芸術性の高いガーメンツを展開し、世界中のファッショニスタから絶大な支持を得ています。

現在ファッション界のトレンドでもあるストリートスタイルとモードスタイルを融合させるハイブリッドモードスタイルや、リュクスなストリートスタイルは、間違いなく、高橋盾や宮下貴裕の登場以降、急速に広まったスタイルであり、新たなファッションの捉え方です。

そして二人の天才デザイナーの影響を受けた若手デザイナーが次々とファッション界に現れ、新たなファッションの流れを創ろうとしています。

かつての川久保玲や山本耀司のように目標とされるデザイナーとなった、高橋盾や宮下貴裕ですが、本人達にとっては、そんなことはどうでもいいように感じます。

時代を牽引し続ける寵児にとっては、所謂成功や名声など寧ろ邪魔なのかもしれません。

メンズファッションの在り方を変えた2人の天才デザイナー

二人の天才デザイナーの登場以降、メンズファッションの在り方が大きく変わった事は明らかです。今回の合同ショーにより更に注目度が高まる、アンダーカバーと、タカヒロミヤシタザソロイスト.ですが、スタンスやアティチュードは変わる事はなさそうです。

騒いでいるのは周りで、作りたいものがトレンドとなってしまう天才デザイナー二人は冷静に自分達の足元を見ているようにも感じます。

変わる事の無いスタンスでファッション界を牽引し続けるアンダーカバーと、タカヒロミヤシタザソロイスト.の次の動向に世界中のファッショニスタが全神経を集中している事は間違いありません。

INTRODUCTION of THE WRITER

hansu719
name. hansu719
ショップバイヤー、スタイリストを経てフリーライター兼シンガーソングライターが生業です。ハイブランドからストリートstyleまでラグジュアリーな香りのするstyleが好みです。

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